8月の菅生ではすぐ横のピットだった。
赤旗・コース清掃で4回もスタートがやり直される展開。
タイムテーブルは3時間も遅れていた。
ちょっとだれ気味で、ピットロードに何気なく出た私の目の前。
「OKです!」の声が響き、素早い動作でウォーマーを外されたマシンに
跨ってライダーが飛び出していく。
一瞬ライダーと視線が絡む。
ピットレーンスピードリミッターに激しく当てながら飛び出していった
のはノリックだった。
直後、ピットに駆け戻ったスタッフがTカー(予備マシン)の用意を始める。
全日本という戦いの場で、緊張感が抜けていた自分が心底恥ずかしかった。
身が引き締まる思いをした。
久し振りに言葉にならない感情を感じる。
今は言葉にしたくない。